※渡辺レポート
2005年、カナダのブリテイッシュ・コロンビア州、ビクトリア市にあるロイヤルジュビリー病院(Royal
Jubilee Hospital, Victoria, B. C., Canada)に完成した水琴窟は継続音式で、病院内教会の側に作られた新渡戸稲造記念庭園の最も重要な場所に作られました。教会の周囲を取り巻くように造成された庭園は、同年9月現在そのほぼ1/4が完成していました。写真をご参照下さい。2本の聴音竹が目を引きます。年内に植栽を一通り終え、整地をする事になっているそうです。水琴窟とその周りのデザインと施工は岩手県盛岡市の造園師(藤村孝史氏)が担当されました。
この庭園は農学者でもあった新渡戸博士(当病院で死亡)の出身地、岩手県盛岡市とビクトリア市の協力で造設されたもので、海を越えた二つの市から大勢のボランテイアが参加されたそうです。同県と盛岡市は別にヴァンクーバー市(コロンビア州)の大学構内に日本庭園(新大陸においては十指に入る本格的な日本庭園)を寄贈しています。
なお、この庭園の総工事監督者はポール・アリソン氏(Mr.
Paul Allison)
で世界的に有名な園芸療法家です。ビクトリア市の高齢者施設The
Loadge at Broadmeadに造られた園芸療法庭園はアリソン氏のデザインです。1998年、「緑化センター(財)」の招きによる来日以来、日本園芸療法のパイオニア的存在である岩手県東和町のプロジェクトに初期段階より協力しておられる等、数々の指導的役割を果たして来られました。
病院の敷地内に教会があることに奇異な感じを持たれる方もあるかと思いますが、
この病院の教会は記念として残す事になったもので、とても良く保存されています。30人ぐらいの座席があり、ステンドガラスが施された上下あおり戸式開閉窓は清々しく磨かれていました。そして、病院から直接出入りできるよう、本館に隣接し、普通、長期入院
患者さんや家族、友人等のために開放されています。
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